COLUMN最新記事

「密」回避から企業イベントのスタンダードに
可能性にあふれたオンラインイベントの魅力を分析

2020年初頭から世界を覆ったコロナ禍により、多くの人が一箇所に集まるイベントが軒並み中止に追い込まれました。代わりに台頭したのがオンラインイベントです。「密」を避けるための代替施策として導入した企業も多かったものの、すぐにそのメリットは多くの人々に理解され、コロナが下火になってからもオンラインイベントは増える一方です。

ここでは、オンラインイベントの基本的な情報をご紹介します。

目次

  1. オンラインイベントの「今」
  2. オンラインイベントのメリット
  3. オンラインイベントの種類
  4. オンラインイベントの成功のカギ
  5. まとめ

オンラインイベントの「今」

Peatix Japan株式会社「2021年イベント調査レポート」 ※グラフ中の「ハイブリッド」は、リアルイベントとオンラインイベントを同時開催する形態を指します。

イベント・コミュニティ管理サービスを提供するPeatix Japan社が2021年にオンラインイベントの実施状況について調査データを発表しています(左表)。これによると、コロナ禍の下、緊急事態宣言等によりリアルイベントを実施したという回答は半分近くに減少していますが、その一方で、コロナ以降は回答者の90%以上が「ほとんど」「まれに」オンラインイベントを開催したと回答しています。このことは、イベント主催企業において、コロナ禍を機にリアルイベントがオンラインイベントに一気に入れ替わったことを示しています。



質問(グラフ左): 「コロナ禍」以前(新型コロナウイルスの蔓延に伴う2020年4月の緊急事態宣言以前)、それぞれの開催形式の頻度について、もっとも当てはまるものをひとつずつ選んでください。(主催者に質問)

質問(グラフ右):最初の緊急事態宣言が出て1年以上が経過しました。過去数ヶ月において、それぞれの開催形式の頻度について、もっとも当てはまるものをひとつずつ選んでください。


2. オンラインイベントのメリット

オンラインイベントとは、パソコンやスマートフォンなどからアクセスし参加できるイベントの総称です。オンラインイベントのメリットをまとめると、次の4点があげられます。

・感染症の予防
2022年12月現在、政府による行動制限要請はありませんが、新型コロナウィルスの脅威が去ったわけではありません。今後も常に感染の危険を意識した対応が求められるでしょう。多くの人が集まることによる「密」を回避するために、リモート環境で開催できるオンラインイベントは安全な手段と言えます。

・参加/開催コストが大きく節減できる
どこからでも参加でき、会場までの移動時間や交通費を省略できる点は、参加者にとって大きな魅力です。同時に、主催者においても会場を確保する必要がない点は大きなメリットです。このことから、リアルのセミナーを四半期に一度開催していた企業が毎月のようにオンラインでセミナーを開催するようになった例もあります。

・参加者の管理がスムーズ
オンラインイベント用のツールを活用すれば、参加者の名簿化、当日の受付や出欠チェック、資料配布、イベント後のアンケートや次回イベントのお知らせなど、主催者のさまざまな事務作業がオンライン上で行えます。これにより、名簿や各種資料の作成などにかかる手間が大きく簡略化できます。

・参加者の人数に関係なく開催できる
オンラインイベントは参加人数の上限がないので、リアル会場では収容しきれない大人数の参加も可能です。反対に、ごくわずかしか参加者が集まらなかったとしてもコストを気にすることなく開催できます。


オンラインイベントの種類

オンラインイベントが広まるにつれ、さまざまな活用形態が見られるようになりました。物理的な制約が少ないので、アイデアや工夫しだいで広い範囲の課題を解決できるのがオンラインイベントの魅力です。ここでは、オンラインイベントのタイプを目的別にご紹介します。

・営業活動の一環
主催企業の商品・サービスの紹介をオンラインで行うものです。オンラインセミナー、ウェビナーと呼ばれる形態もこのタイプです。多くの参加者に同じプレゼンテーションを提供できることから、優秀な営業マンを講師にして新規顧客の獲得に役立てる企業もあります。参加者の立場からは、リアルのセミナーは途中で抜けにくいといった心理的な負担がありましたが、オンラインならばそのようなこともないので参加のハードルが下がったとも言えます。

・広報活動の一環
企業や官公庁において、特定のテーマに沿った啓発的な会議、またはフォーラムをオンラインで開催するケースが増えています。参加者に外部から有識者を招くことで注目を集めたり、企業の場合はイベントを自社のブランディングに役立てることも可能です。オンラインで行われる企業の活動報告(カンファレンス)や株主総会もこれに分類されるでしょう。

・社内コミュニケーションの一環
もともと国内・海外に多くの拠点を持つ企業のオンライン会議は珍しくありませんでしたが、その多くは経営会議で、参加者は首脳陣のみに限られていました。最近は全社員参加で「新年度のキックオフ大会」や「周年行事」を行う企業が増えています。従来は全社員を一箇所に集めて開催していたこれらのイベントは、オンライン化することで大きなコストダウンが実現できます。

・見本市/商談会
運営会社が提供するもので、多数の企業や個人が参加するリアルイベントをオンラインに置き換えたものです。オンライン上に企業の出展ブースを設けたり、興味のあるブースでは一対一の商談が行えるなど、リモート環境でリアルイベント同様の体験が可能になっています。最近では3D映像が展開されるバーチャル展示会も登場しています。今後、技術の進歩により、ますますの充実が期待される分野です。

オンラインイベントの成功のカギ

オンラインイベントがリアルイベントに比べてすべての点で優れているということはありません。弱い部分を正しく理解することによって、イベントを成功に導くことが可能になります。オンラインイベントの成功のポイントを以下にご紹介します。

・通信トラブルの回避
せっかくのイベントも、映像や音声がスムーズに配信/受信できないといったトラブルに見舞われると台無しです。これについては、イベント運営の技術的な部分を経験豊富なプロに任せることが、もっとも確実な成功に至る選択と言えます。

・参加者との関係、一体感の構築が困難
リアルイベントはイベント後に懇親会が開かれるなど、企業からの情報提供とあわせて参加者との関係を構築する仕組みがありました。この点、オンラインイベントは主催者と参加者、ならびに参加者同士の交流をはかることが難しい点があります。また、オンラインで実施する社内行事の場合も、実際に全社員が一同に会するイベントほどの一体感を作ることが難しいのも否定できません。
この点については、技術的なことよりも、たとえば参加者同士が意見交換する場を設けたり、レクリエーション的な時間を取るなど、企画や運営面での工夫が重要と言えるでしょう。

・参加表明者の欠席、参加者の途中離脱
オンラインイベントの参加に対する心理的ハードルの低さは、欠席や途中離脱が発生しやすいことにつながります。特に無料イベントの場合に顕著ですが、参加申し込みをしながら欠席する、あるいは参加しながら途中離脱する人が少なからずいます。ある程度は許容せざるを得ませんが、欠席に関しては数日前からのメールでのリマインド、途中離脱は事後のアンケートなどでフォローし、最小化をはかることが必要です。


5. まとめ

コロナ対策から広がり、今ではイベントの開催形態として「当り前」になったオンラインイベント。「密」の回避ばかりでなく、参加者にとって参加しやすく主催者としても開催しやすい点から、今後もますます導入する企業は増えると予想されます。成功事例も多数出てきていることから、まだ開催経験のない企業様は、ぜひ一度ご検討ください。

リアル、オンラインに関わらず、イベントはその目的の明確化が何より重要です。何のために開催するのか、どのような結果になれば成功したと言えるのか、こういった部分が曖昧なまま、開催そのものが目的化してしまっては本末転倒です。配信等の技術的な部分はプロに任せ、主催する企業様は内容の充実に集中されることをお薦めします。

本コラムについてご質問などございましたらお気軽にご相談ください。


東京の広告代理店ならライダース・パブリシティマーケティングプロモーション部までお問合せください