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広告・販促キャンペーンにおいて、
今、改めて押さえておくべき基本とは

広告、販促に携わっていれば、日常的に触れる言葉「キャンペーン」。では、キャンペーンとは何なのか。どのようなものがあって、成功させるためにはどのようなことが必要なのか、質問されて正しく答えられる方はどのくらいいるでしょうか?

ここでは、キャンペーンに関する基本的な情報を整理してご紹介します。

目次

  1. キャンペーンの意味
  2. キャンペーンの種類
  3. キャンペーンの手法
  4. キャンペーンを成功させるカギ
  5. まとめ

1. キャンペーンの意味

Peatix Japan株式会社「2021年イベント調査レポート」 ※グラフ中の「ハイブリッド」は、リアルイベントとオンラインイベントを同時開催する形態を指します。

「キャンペーン」を「懸賞」や「特売」と理解している消費者は少なくありません。しかし、元来の英語のキャンペーン(campaign)は「運動」という意味を持つ言葉です。それも、目的をもった「組織的な」運動で、政治的、ビジネス的、軍事的な活動の説明に使われることが多く、目標を達成するために戦略がめぐらされているというニュアンスがあります。

国内での広告や販促における「キャンペーン」にこれといった定義はないようですが、いくつかの説明を参照すると、次のような共通点があります。

・目的が明確である

・期間が定められている(数週間~数ヵ月と、比較的短期間)

・通常の広告とは別の特別な予算が投入される

・複数の広告手段が同時に施行される

・一般消費者の参加を募るものが多い


2. キャンペーンの種類

広告・販促のキャンペーンは大きく分類して「オープンキャンペーン」と「クローズドキャンペーン」があります。まず、これらについて説明します。

【オープンキャンペーン】
 誰でも応募できる企画を指します。以下は実施例です。
 ・クイズやアンケートに答えて応募すると抽選で景品が当たる
 ・写真やネーミングなど、作品を応募すると優秀作の作者に景品が贈呈される
 ・SNSに指定のハッシュタグを付けて投稿すると抽選で景品が当たる

 オープンキャンペーンは新商品の発売時など、まずそれを多くの人々に知ってほしい場合に有効です。最近ではSNSでの情報拡散を意図したキャンペーンが多く見られます。

【クローズドキャンペーン】
 応募に際して何らかの条件を設定している企画を指します。購入を条件とするものは「マストバイキャンペーン」とも呼ばれます。確実に商品の売上を伸ばしたい場合、あるいはまず一度消費者に商品を体験してほしい場合に効果的です。以下は実施例です。
  ・会員登録やLINE友だち追加と引き換えに景品がもらえる
  ・指定の商品の購入と引き換えに販売店で景品がもらえる
  ・指定の商品に貼付されたシールや、レシートを集めて応募すると景品がもらえる

 なお、景品表示法でクローズドキャンペーンは「総付」(利用者や来店者にもれなく景品を提供)、「共同懸賞」(複数の事業者が参加するもの)、「一般懸賞」(それ以外)の3つに分類されており、それぞれ提供できる景品の価額が規定されています。
 たとえば、一般懸賞の場合、応募の条件となる商品が5,000円未満ならば景品の価額はその20倍以内、商品が5,000円以上ならば景品の価額は10万円以内とし、総額として懸賞に係る売上予定総額の2%に収める必要があります。商品の価格に対してあまりに高価な景品を提供することは法令違反となるので、キャンペーンを企画する方は景品表示法を理解しておく必要があります。


3. キャンペーンの手法

キャンペーンには大きく分類して4つの手法があります。上記の「キャンペーンの種類」と重複する内容もありますが、以下は別の切り口からのキャンペーンの説明と考えると良いでしょう。

【制度手法】
 対象や期間を限定してキャンペーンを行う手法を指します。「この商品をお買い上げいただいた方にのみ」あるいは「今だけお得」のような条件を提示することで、消費者の購買意欲を高めます。

【プレミアム手法】
 景品や特典をプレゼントする手法を指します。消費者の興味をひくために「~をフックにする」という言い方をすることがありますが、プレゼントは有力なフックになります。

【プライス手法】
 商品の価格を下げる手法で、いわゆる「バーゲン」です。複数の商品を購入すれば割引きするというのもこの手法に含まれます。価格は商品購入のもっとも大きな障壁になりますが、これを下げることで購入を促すものです。

【試用手法】
 サンプル品を提供し、実際に使用感を体験してもらうことによって購入につなげる手法です。健康食品のネット通販などでよく使われ、サンプルの提供後も意見を求めたりアドバイスを送るなど、単純に購入を促すだけでなく、消費者とのつながりを持つための施策という側面もあります。

いずれの手法にも共通するのは、消費者に「買う理由」を提供している点です。消費者が商品を購入する主な理由は「価格」と「品質」であり、初めて見る商品の場合は「評判」や「商品パッケージ」などが加わります。財布の紐が固い消費者に普段買わない商品を購入させるには、何らかの理由が必要です。それを効果的に提供するものがキャンペーンという見方もできるでしょう。

4. キャンペーンの成功のカギ

キャンペーンを成功に導くために重要なポイントを、大きく「実施前」「実施中」「実施後」に分けて紹介します。

●実施前:課題の確認と手法の選択
 広告・販促キャンペーンは、販売における課題を解決するためのものです。単純に「売上増進」といった結論を持ち出すのでなく、そのために何が必要なのか、何が足りないのかといった課題をまず明らかにし、そのための手段、手法を選択することが重要です。

●実施中:運営体制
 キャンペーン開始後に応募者に不平や不満を抱かせてしまうようでは、期待した成果は得られません。場合によっては逆効果となるでしょう。
オープンにせよクローズドにせよ、一般消費者の応募を求めるキャンペーンにおいては運営事務局の設置は必須です。不満を抱いた消費者がすぐ自身の体験をSNSに投稿する昨今、消費者からの質問に答えたり、応募のルールを説明する対応を疎かにはできません。事務局が適切に対応すれば、不満を持った応募者をファンにすることも可能です。それだけに、キャンペーン期間中の事務局担当者は固定し、リソースが足りない場合はアウトソーシングすることも有効です。

●実施後:成果の測定と評価
 全体としての売上ばかりでなく、さまざまなアングルからの数値的な指標でキャンペーンの結果を評価する企業が増えています。この指標はKPI(Key Performance Indicator 重要業績評価指標)と呼ばれ、何をKPIとするかはキャンペーンの目的によります。実施前にKPIを明確にし、目標とする数値を設定しておくと良いでしょう。KPIに用いられる指標には次のようなものがあります。

 ・ROI(Return On Investment 投資収益率)
  投資した金額と得られた収益の比率です。数値が高くなるほど効率的に収益があげられたことになります。

 ・CPA(Cost Per Action 獲得単価)
  一件あたりの売上を獲得するために要した金額です。もちろん小さい金額になるほど効果が高かったと言えます。

 ・ソーシャルエンゲージメント(Social Engagement)
  SNSを活用したキャンペーンの場合に、自社アカウントが集めたクリック、シェア、リツイート、「いいね」、コメントなどです。これらは、消費者が自ら起こしたアクションなので、キャンペーンや商品に対する関心度を示します。

その他、次のような指標が用いられる場合もあります。
 ・キャンペーンのターゲットへのリーチ(到達度)
 ・新規顧客獲得数
 ・商品知名度の向上

効果測定の際に発生しがちな問題として、「数値を計測しても、それが良いのかどうか分からない」というものがあります。この点は、同業種の広告・販促に経験の豊富な広告代理店をパートナーとして活用すると良いでしょう。また、キャンペーン実施後は今後の参考データとして記録を残しておくことも重要です。


5. まとめ

広告・販促キャンペーンは、消費者の参加形式を工夫すれば、ひとつのイベントとして注目を集める(アイデア募集やコンテストなど)こともでき、企画次第で大きな成果を得ることが可能です。ただし、実施にあたっては確認するべきことや準備するべきことが非常に多く、社内に販促の専門部署がある企業でなければ負担が大きくなります。また、たとえば応募方法が従来のハガキ郵送からネットの応募フォーム送信になり、昨今はSNSの投稿で応募するなど、次々と導入される新しい形式をフォローしていることも必要です。このような背景を考慮しても、前項で説明した通り、頼れる広告代理店をパートナーとして選ぶことをお薦めします。

キャンペーンの立案から広告制作、景品の手配、事務局の運営などまでカバーでき、そのうえSNSまで知見を持つ広告代理店は多くありません。ライダースパブリシティはその条件を満たせる代理店なので、キャンペーンをご検討の企業様はぜひご相談ください。


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