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車離れの時代でも、独自の広告戦略とサービスで人が集まる自動車教習所へ

はじめに

少子高齢化社会による自動車利用者全体数の減少と、若者の車離れにより、運転免許取得者数の減少が深刻化しています。
それと同時に、自動車教習所に通う生徒も減少傾向にあります。警視庁の「運転免許統計(平成28年版)」によると、都道府県の公安委員会が認定した自動車教習所の卒業者数は約159万人(2016年)で、その前年と比較しても約28.7万人が減少しています。
上記の影響により、自動車教習所は2005年から2016年の11年間で92校が廃業に追い込まれています。

このような環境下において、自動車教習所としては「若者の車離れ」に着目し、打開策を検討、展開することが業界で生き残るために重要だと考えます。

若者の車離れの背景

1、ライフスタイルの変化

時代とともに若者のライフスタイルが変化した上、インフラも整備され、車がなくても生活ができる便利な世の中になりました。都心部では、駅近くにマンション建設や街開発、交通網が発達したことによる利便性も高まり、欲しいものが即時的に購入可能となりました。昔のように遠いところまで車に乗って店頭購入、という場面が少なくなったことも一因に挙げられます。

2、経済的理由

ひと昔前までは高級車を所有することがステータスになる、という側面もありましたが、最近では高級品を買うことに躊躇する若者も多く、逆に高級車に乗ることを「ダサい」と捉える人も多くなっています。

元々、高級志向ではない上に、さらには若者の雇用不安や非正規労働者となった低所得層が増えたことにより、高額な商品への購買意欲の低下は著しく、自動車教習所へ通う費用や時間を捻出できず諦めてしまう若者も少なくありません。

3、嗜好の変化

若者の娯楽が多様化したこと、特にゲームやスマホアプリ、SNSといったビジュアルコミュニケーションの発達は著しく、若者のステータスはモノより「体験」に変化した上、エコといった環境問題の観点からも、車に対する関心が薄れています。 

最近の自動車教習所のサービス

そのような状況下でも、自動車教習所の中には生徒数を確保するため、工夫を凝らした施策を試みるところも少なからずあります。
最近では、折込チラシやDM、フリーペーパーや屋外広告など、街中でも頻繁に自動車教習所の広告を目にする機会も増えました。しかし、そういった施策も以前ほどの効果が期待できなくなりました。そのため、自動車教習所と入学希望者で、相互コミュニケーションができるSNS(Twitter、Instagram、LINE、LINE@など)を利用し、教習生自らが技能教習の空き状況やトピックスの更新を行う自動車教習所も多くなっています。
若者の来校者の増加を目的に、無料Wi-Fiの導入、マンガ読み放題など、ネットカフェのような感覚で「居心地のよさ」に特化した教習所もあります。
具体例としては、デザートの無料提供や、大阪の「みのお自動車教習所」のように、食事の食べ飲み放題を提供する例もあります。また、痛車と呼ばれるアニメやゲームのキャラクターで装飾した車で教習を行い、声優やアイドルを招いてイベントを行う自動車教習所もあります。
かつての厳しい自動車教習所のイメージは払拭され、それぞれで独自のサービスを提供することにより、他校との差別化をし、生き残りを図っています。

その一方、若年層向けでなく、増え続けるシニア層向けのサービスを充実させている教習所もあります。
70歳以上での免許更新は高齢者講習の受講が必須となっており、シニア層のドライバーが年々増加している今、シニアに向けた自動車教習所のニーズはますます高まっています。
2017年9月23日の『神戸新聞NEXT』によると、兵庫県内では待ち期間が最長3カ月を超える教習所もあるようです。「ブラッシュアップ講習」という安全運転を促すための再教育の場が新たに設けられ、自身の運転レベルの確認ができるようになりました。これはシニア層のドライバーが引き起こしやすい交通事故の防止に一役買っているようです。

最後に

広告を生業とする我々の使命は、若年層に対し「免許を取って車に乗りたい」「車のある生活をしたい」という夢を抱かせ、意欲を掻き立てるような広告づくりだと考えます。
自動車教習所はじめ、自動車業界全体がさまざまな施策を行う中で、我々の立場からお手伝いすることで若者の車離れを食い止めたいと思います。
自動車教習所の広告について、お悩みやご相談などがございましたら、ぜひ一度お問い合わせください。