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インストアプロモーションとは?注目される理由や種類を徹底解説

インストアプロモーションが注目を浴びるなかで、なぜいま売り場での販売促進が重要なのかを知りたいという方もいるのではないでしょうか。

ECサイトではなく売り場だからこそできること、いま消費者が売り場に求めていることの理解が必要になります。インストアプロモーションの考え方や手法の理解を深めて、売り場の強みを生かした販促を実施しましょう。そこでこの記事では、インストアプロモーションが注目を浴びる理由や手法の分類についてご紹介します。

目次

  1. インストアプロモーションとは
  2. インストアマーケティングとの違いは?
  3. インストアプロモーションが注目される理由
  4. インストアプロモーションの種類「価格主導型」
  5. インストアプロモーションの種類「非価格主導型」
  6. まとめ

インストアプロモーションとは

商品の認知や販売を促進することをプロモーションといい、顧客の購買意思決定をうながす販促を「セールスプロモーション」といいます。セールスプロモーションにはさまざまな手法があり、店舗内(In-store)で実施するセールスプロモーションが「インストアプロモーション」です。

インストアプロモーションには、POP広告や試食販売、クーポンなど多くの施策があります。売り場での販促に関わるあらゆるセールスプロモーションがインストアプロモーションにあたり、大別すると「価格主導型」と「非価格主導型」の2種類です。


インストアマーケティングとの違いは?

「インストアマーケティング」とは、売り場を起点として販売戦略を立てるマーケティングです。商品の企画・開発、市場調査や顧客情報管理、「マーチャンダイジング(商品化計画)」や流通などを売り場にフォーカスして実施します。

メーカーで生産した「製品」を、適切な数量や価格で「商品」として販売する活動をマーチャンダイジングといい、これを店頭で実施するのが「インストアマーチャンダイジング(ISM)」です。

インストアマーチャンダイジングは、棚割管理や顧客の動線計画に関わる「スペースマネジメント」と、陳列棚や販売員による販促を行うインストアプロモーションにより実施します。

インストアマーケティングの一部としてインストアマーチャンダイジングがあり、インストアマーチャンダイジングの2本の柱として、スペースマネジメントとインストアプロモーションがあるという関係です。

インストアプロモーションが注目される理由

スマートフォンやタブレットで商品がいつでもどこでも買える時代になり、消費者からすれば店舗に出向く必要がないほどに便利になっています。しかし便利なだけでは飽きがくるため、「便利さ」を求める層と「体験」を求める層の二分化が進んでいる状況です。

ECサイトのメリットのひとつは「画像と文章で素早く商品比較できる」ことですが、商品の性能や品質は手に取ってみなければわかりません。商品の多様化が進むなかで、選択肢の幅が増え続けていることもあり、消費者の購買行動にも変化が生まれています。

現代では、消費者が実店舗に足を運ぶ際、購入する商品を決めていないことが大半です。ECサイトで商品比較した結果、手に取って確かめるために実店舗を訪れるという消費者が増えています。こういった消費者心理を読み取り、商品販売につなげる活動として、インストアプロモーションの重要性が増している状況です。

インストアプロモーションの種類「価格主導型」

ここまでは、インストアプロモーションという概念と重要性について解説しましたが、インストアプロモーションを実施する際は、ECサイトの利用と商品比較に慣れた消費者が訪れることを想定することが重要となります。ここでは、インストアプロモーションの2種類の分類から、価格主導型について解説します。

価格主導型とは

「価格主導型インストアプロモーション」とは、商品の価格を操作することで、顧客が感じる商品の価値を上げる手法の総称です。一般的には、売り場での商品の価格を下げることで、購買意欲の向上につなげます。

2019年10月から、消費税が10%に増税しました。ここで生まれた「キャッシュレス・ポイント還元事業」も価格主導型に分類できます。

このサービスは、消費者が加盟店でキャッシュレス決済すると、ポイント還元が受けられる(実質的に安く買える)システムです。加盟店では、消費者から見て商品が安く買える(価格が下がる)ことにより、価値が上がっています。

価格主導型インストアプロモーション①「値引や特売」

商品の値引きや特売は、典型的な価格主導型インストアプロモーションです。スーパーのタイムセールや、百貨店のバーゲンセールなどがこれにあたります。消費者が購入時に感じる心理的なハードルを下げたり、安くお得に買える期間を狙って消費計画を立てさせたりすることが目的です。

いずれの手法も、一時的な売り上げの向上には効果があります。ただし、値引きが常態化すると消費者にとっての妥当な価格である「内的参照価格」が下がること、特売では買い渋りにより特売前の売り上げが落ち込む可能性に注意しましょう。

価格主導型インストアプロモーション②「バンドル販売」

「バンドル販売」とは、商品を複数点まとめて購入したときに割引する販売方法を指します。たとえば、3点購入すると1点無料、3点購入で999円といった形です。客単価を上げることや、売れ筋ではない商品の在庫処分という目的で実施します。

商品の定番価格自体は下げずに販売できるため、販促期間が終了した際の、顧客の心理的なストレスを軽減できることもメリットです。ただし、売り上げは伸びても顧客は買いだめをしているだけかもしれません。需要の「先食い」になるだけの、長期的に見れば販促効果が得られないケースに注意しましょう。

価格主導型インストアプロモーション③「増量パック」

増量パックとは、商品の価格はそのままで、量を増やして販売するインストアプロモーションです。10本入りの電池が2本増量、30枚入りのフェイスマスクが2枚増量といった販売方法です。単純にお得というだけでなく、「いつも電池が2本余ってしまう」「31日分は欲しい」といった不満に応える効果も見込めます。

ブランドイメージを下げることなく販売できますが、基本的には商品開発やパッケージングからの対応が必要です。このため、小売業で実施するのは難しく、通常はメーカー主導で行います。


インストアプロモーションの種類「非価格主導型」

ここまでは、価格主導型インストアプロモーションについて解説しました。価格主導型を導入する際には、売り上げベースではなく「顧客がそれを求めているか」にフォーカスすることが重要です。ニーズの変化に合わせて売り場も変わる必要がある、という状況を念頭におきましょう。ここでは、非価格主導型インストアプロモーションについて解説します。

非価格主導型とは

「非価格主導型インストアプロモーション」とは、商品の価格ではなく効用や魅力を伝えることで、消費者のニーズを刺激する手法の総称です。

価格を操作せずに、商品のポテンシャルを引き出したり、付加価値をつけたりします。価格主導型よりも、販促の内容を理解してもらうための広告が重要です。顧客の理解が得られれば、売り上げだけでなく、ブランドイメージや顧客ロイヤリティを高める効果も狙えます。

非価格主導型インストアプロモーション①「実演販売」

実演販売(デモンストレーション販売)とは、商品を実際に使って見せたり使ってもらったりすることで、商品の魅力を実体験してもらう販促です。これはECサイトではできないことで、実店舗の優位性が生かせる手法といえます。

デジタルデバイスや特殊素材を使った商品など、機能や性能が複雑で、商品説明だけでは魅力が伝わりにくい商品に有効です。ECサイトの画像や文字情報、あるいはパッケージ越しからではわからない商品の魅力を伝えましょう。実演販売の成功のためには、担当するスタッフの教育が必要です。

非価格主導型インストアプロモーション②「プレミアム付」

インストアプロモーションにおける「プレミアム」とは、高級や高価を指す言葉ではなく、景品やおまけのことです。商品に特典やおまけ商品をつけることで、付加価値により購買意欲を刺激します。

特典のタイアップによっては相乗効果が期待でき、おまけ商品のプロモーションを見込んでの実施も可能です。ブランドイメージや顧客ロイヤリティを高める効果も狙える上、リピート率の向上にもつなげられます。

非価格主導型インストアプロモーション③「プレゼントキャンペーン」

プレゼントキャンペーンとは、応募と抽選の上で賞品や賞金をプレゼントする、期間限定の販促です。一般的には、応募に必要な対象商品のバーコードや応募マークを、一定数集めて応募します。商品の販売数を増やすことはもちろん、リピート率や「ロイヤルカスタマー」の顧客情報管理につながることもメリットです。

ただし、景品の最高額や表示内容については「景品表示法」により制限があります。プレゼントキャンペーンを実施する際は、規制内容をしっかりと把握しましょう。

非価格主導型インストアプロモーション④「デジタルサイネージ」

「デジタルサイネージ」とは、ディスプレイやプロジェクターを使って、自由に表示内容を変更できる広告です。画像だけでなく動画も表示でき、時間帯やターゲットによって表示内容を変更できます。

あらかじめプログラムした広告をメモリから読み込むスタンドアローン機と、通信機能により遠隔操作ができるネットワーク対応機の利用が可能です。機器を導入すれば、ポスターや看板のような張り替えのコストがかかりません。表示内容と視聴者のスマホアプリをリンクして、インタラクティブな演出も可能です。


まとめ

インストアプロモーションの重要性は、ICTやIoTの活用が進むにつれて高まっています。ECサイトで簡単に商品比較をする消費者が増えるほど、「実際の商品は信頼できるものかどうかわからない」というジレンマも拡大していく構造があるといえるでしょう。

ここで、消費者のニーズが売り場に向くという逆転現象が生まれています。消費者の声に応えるためには、インストアプロモーションのノウハウとクリエイティブが不可欠です。

ライダース・パブリシティでは、販促戦略の立案から広告制作、さらには売り場作りと効果測定までトータルに対応いたします。時代の変化のなかで顧客の心をつかむインストアプロモーションをお考えなら、ライダース・パブリシティにご相談ください。


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