Webを活用した広告戦略の考え方
インターネット、Web、SNSといった言葉が一般的に広く認知され、性別や世代を問わず利用者は増加の一途をたどっていました。さらにスマートフォンの普及に後押しされ、ますますWebメディアが注目されています。
総務省発表の「平成28年通信利用動向調査」によると、2015年末時点で国内のインターネット利用者は1億46万人。日本の総人口に対する普及率は83.0%となっており、この数値からも日常的な情報取得に欠かせないメディアである事は明らかです。
広告という観点でもWebメディアは数多く存在し、消費者へのアプローチ方法も増えています。その中から戦略的なメディア選びが可能になる一方、個別のメディアが持つ役割・特性を理解し、アプローチしなければ消費者に対して効果的な情報提供ができない場合があります。
上記を踏まえ、企業の広報ご担当者様は以下のような問題を抱えていると思われます。
- Web広告は、種類が多いため効果的なメディアの選択が難しい
- 自社の商品、キャンペーンに最もマッチし効果的にPRできるWebメディアの選別方法
- マス・ローカルメディアを使用してきた実績はあるが、Web広告は仕組みも複雑で難解なため敬遠しがち
これらの悩みを持つご担当者様に対し、当社では具体的にWebメディアが持つ特性と特長を明確にお伝えし、販促計画における目的達成をサポートいたします。
広告戦略におけるWebメディアの役割・ポジション
一般的に商品購入の内訳として、「新規顧客からの購入」「既存顧客からの購入」に二分する事ができます。新規顧客の獲得から、リピーター獲得に向けたWeb上での導線設計を構築する事で、消費者に対し、より効率的なコミュニケーションと購買促進が可能になります。
以下に広告戦略における各Webコンテンツやメディアのポジショニング・役割の詳細は以下の通りです。
広告効果の見える化でキャンペーンのボトルネック発見
まずWeb広告の一番の利点として、広告効果が可視化する点が挙げられます。
従来のリアルメディアでは実際的な数値は可視化できませんでした。その点、Webメディアの大半は「表示単価(CPM)/回数/率」「クリック単価(CPC)/回数/率(CTR)」「購入ページから予約(CV)した回数/率(CVR)」など細かく数値化でき、PDCAを行いやすいモデルとなっています。その結果、広告成果を最終集計する際に、数値としてボトルネックを発見しやすい結果となります。
たとえば、「クリック率は高いが購入率は低い」。この場合は、ランディングページの構成を見直す必要があります。その逆に「クリック率は低いが購入率は高い」場合は、各メディアに掲載している広告のクリエイティブを見直す必要があります。
このようにボトルネックを明確に把握する事で、次回以降の広告制作の際に集計結果での課題や改善点が明確になります。可視化された課題に取り組む事で、施策回数を重ねるたびに広告効果を高めることができます。
潜在顧客向けには想定ターゲットとマッチする媒体への出稿、顕在顧客向けにはリスティング広告の検索連動型広告やリマーケティング・リターゲティング広告を活用する事で、効率的に購買促進が可能です。
※顕在顧客とは「消費をすることは決まっているがどこで消費するか検討している消費者」を指します。
自社商品のリピーターやファン層を増やし、新たなターゲットへリーチ
新規顧客を獲得した場合、メールアドレスなどの顧客リストを作成、活用することで、購入確度の高い新たなターゲット層へのアプローチが容易になります。
代表的な例として、DSPやFacebook広告で使用される「カスタムオーディエンス」が挙げられます。
カスタムオーディエンスでは顧客リスト(既存顧客)を元に、共通の趣味嗜好属性を分析、類似するターゲットに対して広告を配信することが可能です。既存顧客から抽出される属性データを解析し、狙ったターゲット層以上に購入確度の高い消費者へリーチできます。
エンドユーザーとの接点確保で費用対効果を最適化
新規顧客を獲得した後、その顧客層にリピーターとして何度も自社の商品を購入して頂くことで売上増につながります。新規購入者に自社アカウントのフォロワーになって頂くと、新商品の告知やセール情報などのPRが容易になります。そのためにも顧客と親和性の高いSNSメディア内で自社アカウントを開設・運営する必要があります。広告費用を抑え、継続的かつ効果的に既存顧客へアプローチするためにも自社アカウントの運営は今後、販促活動に必須項目となります。
一度ご利用頂いた顧客にフォローして頂くため、飲食・サービス店で主に行われている施策例として「フォロワーになれば●●%割引」などがあります。
このような施策は、自社アカウントとのルートを確立し、随時キャンペーンやブランド情報提供への可能性を高めます。
また、運用上注意が必要な点として「飽きられてフォロワー解除」をされてしまうことがあるという点です。多くの方が経験している事例として、興味も持てず面白さを感じられない投稿が頻繁に通知されても逆に読む気が失せ、邪魔に感じてしまうことがあると思います。
それと全く同じことを貴社のお客様に感じさせてしまう可能性があります。
改善策として、一方的な情報発信に固執せず、ユーザーの興味・関心事に寄り添い、かつ自社を取り巻く環境を考慮した魅力的な投稿を行う必要があります。
最近では、企業の自虐ネタを公開することでビジネスライクなイメージから脱却し、フォロワー獲得につながった事例もあります。よりユーザー視点に立ったユニークな投稿を行うことで共感を獲得すると、そのフォロワーから拡散され、情報がさらに広がる可能性が生まれます。このことからもSNSの主役はあくまでユーザー(お客様)であり企業ではない、という点をしっかり認識する必要があります。
自社アカウントの運営をエンドユーザーの視点から行う事で、SNSでのコミュニケーションはさらに円滑化されるのです。
最後に
本記事にてご紹介したプランはあくまで一例です。業種やターゲット、企業様ごとに最適なプランは異なります。Webメディアについては広告業界でも専門的な言葉が多く、お客様には分かりにくい面があります。紙メディアなどと違い、一見理解し難いメディアかもしれません。だからこそ当社では「あまり詳しくない」「ややこしそうで嫌」など、Webメディアを敬遠されているお客様にも分かりやすく丁寧に解説、ご説明いたします。
個々の商材に合った最適な広告プランをご提案させて頂きますので、お気軽にお問い合わせください。
本記事最後に少しでも皆様のお力になれればと思い、Web関連での使用頻度の高い用語解説集を以下にまとめました。さまざまなビジネスの場面でご活用頂ければ幸いです。
用語解説集
AdSense:(アドセンス)Googleのアドワーズ広告を、自分の運営するWebサイトに掲載することができる広告プログラム
AdWords:(アドワーズ)Googleの検索結果に連動してWeb広告を掲載するサービス
ASP:(アフィリエイトサービスプロバイダ)成果報酬型広告の配信事業者
CMS:(コンテンツマネジメントシステム)Webコンテンツを構成するテキスト・画像、レイアウト情報などを一元的に保存・管理し、サイトを構築・編集するソフトウェアのこと
CPA:(コストパーアクイジション)商品購入や会員登録などの、利益につながる成果を1件獲得するのにかかるコスト
CPC:(コストパークリック)1クリックを獲得するのにかかるコスト
CTR:(クリックスルーレート)クリック率。クリック数÷インプレッション数で算出
CPM:(コストパーミル)表示1000回あたりの費用。画像や動画広告に使用される
RTB:(リアルタイムビッティング)入札形式で広告料が決定すること。都度適正な広告料金設定とするための仕組み。Facebookもこの広告形態
CVR:(コンバージョンレート)サイトへのPV or UUのうち、最終成果(コンバージョン/商品購入・資料請求などケースに応じて設定)獲得割合
Google Analytics:(グーグルアナリティクス)Googleが提供する高機能な無料アクセス解析ツール
LPO:(ランディングページオプティミゼーション)コンバージョンに結びつきやすいようにランディングページを調整改善すること
PPC広告:(ペイパークリックアドバタイジング)クリック課金型のネット広告
ROI:(リターンオンインベストメント)費用対効果。投資した資金に対して得られる利益の割合
SEO:(サーチエンジンオプティミゼーション)検索エンジンで上位に自社サイトを表示させるための一連の施策
CPV:(コストパービュー)広告視聴1回あたりの費用。動画広告の指標
トラッキング:特定ユーザーのサイト内での動きを追跡・分析すること
オーバーチュア広告:Yahoo!などに掲載されるPPC広告、スポンサードサーチの提供会社
離脱率:コンバージョンに達することなく、サイトから離脱してしまう割合
純広告:特定のアドネットワークを経由せず指定の媒体に掲載される広告
ランディングページ:ネット広告からのリンク先となるWebページ
インフィード:他一般記事と同様の体裁で広告掲載する方法。紙媒体で言うペイドパブリシティのようなもの
ネイティブアド(広告):企業の広告コンテンツをメディアの記事と同様のデザインやスペースに掲載したもの