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差をつける!わかりやすい商品企画書の作り方やポイントとは?

商品企画書を作ることになり、わかりやすく説得力のある書き方を模索しているという方もいるのではないでしょうか。商品企画書をわかりやすく書くには、読み手からの見やすさや読みやすさを意識することが重要です。

インパクトがあるだけでは、感覚的にわかりやすくても説得力には欠けるでしょう。商品企画書が承認を得るには、市場調査や顧客調査によるデータの裏付けも大切です。

そこでこのコラムでは、わかりやすい商品企画書の作り方やポイントについてご紹介します。リサーチから商品の正式リリースに至るまでの商品企画のフローについてもあわせて理解を深めましょう。



目次

  1. 商品企画書に必要な情報とは?
  2. 商品企画書の基本構成
  3. 商品企画からリリースまでのフロー
  4. まとめ

商品企画書に必要な情報とは?

わかりやすい商品企画書を作るためには、企画書に必要な情報を絞り込んでポイントを押さえた内容にすることが重要です。

ここでは、商品企画書にとって不可欠な3つの要素をご紹介します。記載すべき情報にフォーカスを絞って、無駄のないわかりやすい商品企画書を作りましょう。


問題提起・現状の分析

商品企画書に不可欠な情報は、問題提起と現状の分析です。「なぜ」この商品企画書を作ったのかという経緯を記載します。

商品企画書を作るからには、現状に何らかの問題があることに気づいていて、それを解決する道筋が見えているはずです。問題解決のビジョンを持っているのは、商品企画書を作る本人だけかもしれません。

まずは、商品企画書を作ることになった背景と目的を明らかにすることが必要です。商品企画書のなかで背景を伝えるには、数値データを表示すると合理的な説明ができるでしょう。

商品企画書の読み手から見て、たしかに問題はあると納得できるだけの根拠が必要です。これを軸にして問題提起をし、解決策の提示につなげていきます。

提起した問題の解決策

背景を合理的に説明して問題提起をしたなら、次に必要なことは解決策の提示です。「何を」「どうやって」解決するかというソリューション提案をします。

このソリューションを実施すれば提示した課題は解決できるという、誰の目から見ても納得できるわかりやすい表示が必要です。

具体的な解決策を示さなければ、問題提起はただの思いつきで終わってしまいます。問題提起に対する解答は、商品企画書の核心といってよいほどに重要な部分です。

今まさに必要なものはこの商品であるという、インパクトのある提示を心がけましょう。商品の提案に説得力を与えることは、解決策の前後の情報です。

なぜその商品が必要なのかが、ひとつのストーリーとして理解できるようにしましょう。解決策の次に表示する、商品の具体的な効果やコストがさらなる説得力を与えます。

具体的な方法や費用などの情報

問題提起に対する解答を与えたら、次に必要なことは費用対効果の提示です。企画する商品は問題に対してどのような効果を発揮するのか、それを実現するにはコストがいくらかかるのかを明示します。

提案する商品が本当に優れた解決策であるかどうかは、印象だけでは判断できません。アイデアとしてインパクトはあっても、その効果を定量的に証明できなければ空想の域で終わってしまいます。

数値データを使って問題提起から効果の発揮までの因果関係を示しましょう。その効果が生まれることの根拠も提示することが必要です。

商品をリリースするまでのスケジュールや費用についても商品企画書に含めます。現実的かつ具体的な実施案を示すことで、実現可能性の高い商品企画であることを訴えましょう。

商品企画書の基本構成

ここまでは、商品企画書に記載する情報を3種類に区別してご紹介しました。商品企画書のなかでは、それらの情報にストーリー性をもたせて段階的に提示していきましょう。

ここでは、実際に商品企画書を作る際のページ構成についてご紹介します。基本構成の6つの区分と、アレンジの仕方についても見ていきましょう。また、1ページだけですべての情報を記載する「1枚もの企画書(ワンシート企画書)」の構成も紹介します。



表紙

商品企画書の表紙は、読み手が商品企画の全体像を把握するための入り口です。読み手に理解を要求するのではなく、表紙に書いた要素から自然に内容やメリットがイメージできるものにしましょう。

表紙に記載する要素は、宛名、タイトル、サブタイトル、作成日、企画者名の5つです。これらの要素から、「誰が」「何を」「誰に」「何のために」作る商品企画なのかを表現します。

企画者名と宛名は、誰が誰に向けて書く商品企画書なのかを表示する基本的な項目です。作成日は、商品企画書の提出日やプレゼンの日とのタイミングのズレを示す目的もあります。

表紙に記載する要素のうち、商品企画の内容を表現するものはタイトルとサブタイトルです。タイトルは、シンプルかつ具体的に企画内容を把握できるものにします。表現しきれないニュアンスはサブタイトルで補いましょう。

目的・狙い

タイトルやサブタイトルで商品企画書の全体像を表示したら、次に書くことは商品企画の目的や狙いです。商品企画の意図が読み手に伝わりやすいように、単純明快なストーリーをもたせて書きましょう。

商品企画の狙いは新規顧客の獲得なのか、顧客単価の向上なのかということを示します。ストーリー性をもたせるために、必要であれば次のステップの問題提起と入れ替えてもよいでしょう。

商品企画書のページ数が多くなるのであれば、表紙との間に目次を挟むとわかりやすくなります。ストーリー性が高くページ数の少ないプレゼン資料なら必要ありません。文書として提出するのであれば、目次はあった方が親切です。

表紙で全体像を表示し、目的・狙いで商品企画の意図を説明したら、次のステップである問題提起に移ります。

現状の問題提起

商品企画の狙いの次には、現状の分析と問題提起を示します。数値データの根拠がある分析結果と、目指すべき目標を対比しましょう。現状から理想像へ向かうための取り組むべき課題として問題を提起します。

分析方法としては、マッピングやポジショニング、トレンド分析などです。市場調査をして自社商品と競合商品の位置関係を示します。これらは現状の分析としても、理想像として示す仮説の根拠としても活用しましょう。

説明に説得力をもたせるためには、インパクトではなく合理性が重要です。感覚的に正しいと思えるかどうかでは事業の成功のためにふさわしい商品企画であることを証明できません。

問題提起から商品概要のアイデアを示すつなぎとして客観的な指標が必要です。市場調査や顧客調査などの数値データを活用し、納得のうえで読み進めてもらえる商品企画書を目指しましょう。

商品概要シート

現状と理想像の対比から問題提起をしたら、次に商品概要シートを作成します。ここに実際にリリースする商品のアイデアを表示します。商品のターゲット、コンセプト、目的、訴求ポイント、差別化ポイントといった要素が必要です。

「誰に」「何を」「なぜ」といった、どのような顧客に対して価値を提供するのかという商品の根本的な要素を示します。実際の商品をイメージしやすいように商品スケッチも必要でしょう。商品の仕様や価格も表示します。

商品概要シートの内容は多岐に渡ります。全てを1枚にまとめることが難しいようであれば、商品コンセプトとターゲットを別紙に分けましょう。

どのような価値を誰に提供するのかというターゲティングは、アイデアの基礎として読み手に理解してもらいたいポイントです。この場合は、商品企画案としてその他の要素を別紙にまとめます。

予算計画

商品概要シートで実際にリリースしようとする商品のアイデアを示したら、次は予算計画を作成します。商品がどのように優れたものに見えても、収支計算が伴わなければリリースに結びつきません。

新商品をリリースするまでにかかる費用は、試作品のトライアンドエラーも加味することが重要です。アイデアが商品になるまでには、不具合の修正や性能試験にも費用がかかります。

これらを考え合わせたうえで、実現可能性の高い商品企画であるかどうかも再考しましょう。コストが大きくなりすぎると、収入に見合わないとして却下となる可能性が高まります。

数値の信頼性を高めるためにも、開発コストや生産コストの内訳リストも表示しましょう。収入の見込みは、市場調査や顧客調査の結果とかけ離れた数値になっていないかを再考することも重要です。

スケジュール

予算計画とあわせて重視したい点は、スケジュールです。どちらも商品企画の実現可能性に直結する重要な指標と言えます。少なくとも必要な情報は、開発や生産のステップと、リリース日に関することです。

開発や生産にはさまざまな工程があります。複雑な工程が必要な商品企画であれば、ガントチャートやフローチャートもあわせて提示しましょう。リリースしてからコストを回収するまでのカレンダーもあるとよいでしょう。

これらのスケジュールは、予算計画と関連づけて提示することも重要です。予算計画とスケジュールの内容がかみ合っていなければ、信頼性の低い商品企画として差し戻しや却下となるかもしれません。

開発が難しい商品企画であれば、具体的な数値には特に慎重になりましょう。リリース日があらかじめ決まっているなら、ある程度の開発の遅れも加味して仕様変更の検討も必要です。

1枚もの企画書の基本構成

1枚もの企画書(ワンシート企画書)の場合は、1ページだけの企画書であるために書き方に工夫が必要です。記載する内容は、企画書に必要な要素である「CTPT」を基準にします。

CTPTとは、コンセプト、ターゲット、プロセス、ツールを意味する語です。コンセプトは、問題提起と目指すべき成果を指します。

ターゲットでは、企画がどのような人物像を想定して価値を提供するものなのかを設定します。

プロセスではターゲットに対してどのようなアプローチをするかを設定し、ツールでは具体的な手段を提示します。

1枚もの企画書では、CTPTの流れに沿って左上、右上、左下、右下という流れで書くことが自然です。これで、シンプルな構成かつ一目でわかりやすい企画書が作れます。



商品企画からリリースまでのフロー

ここまでは、商品企画書に記載する情報や基本構成について紹介しました。これらを踏まえて商品企画書を作成するためには、さまざまなリサーチを行って素材を揃えていくことが必要です。

ここでは、リサーチをしてデータ分析し、商品企画書を作成して商品のリリースに至るまでのフローを見ていきましょう。



3種類のリサーチによるデータ分析

商品企画書を作る際には、客観的な事実を示すためにリサーチとデータ分析が不可欠です。企画の最初の段階では、以下の3種類のリサーチを行います。

  • 自社のリサーチ:自社のビジネスモデル、リソース、既存商品の売り上げや課題などをリサーチします
  • マーケットのリサーチ:既存市場の商品やサービスに対して顧客が持っている不満、なぜ自社商品を選んでいるかといった「市場調査」を行います
  • 競合のリサーチ:競合商品の売り上げや強み、顧客が抱いている不満や改善点などを洗い出す「競合調査」を行います

これらのうち、市場調査と競合調査から信頼性の高いデータ分析を行うためには、リサーチのノウハウとリソースが必要です。自社努力が困難であれば、リサーチに長けたプランニング会社の力を借りて商品企画の精度を上げましょう。

ボトルネックの特定と具体的な施策の策定

データ分析で見えてくるのは『ボトルネック』です。ボトルネックとは、商品が顧客の購買行動に結び付くまでにある障壁、つまりブランディングやターゲティングの課題を指します。

ボトルネックを特定したら、次に行うのは課題解決のための具体的な施策の策定です。十分にデータ分析を行っていれば、魅力的な商品を開発するだけでは購買行動に繋がらないことが見えているでしょう。

商品はただリリースするだけでは売れません。パッケージデザインやプロモーションも踏まえ、インパクトのあるリリースとリピーターの獲得を前提に商品企画を立案することが重要です。ここでも、広告と消費者心理を熟知したプランニング会社のサポートがあるかないかでは大きな違いが出てきます。

商品企画書の作成と正式リリース

問題解決のための具体的な施策を策定したら、実際に開発する商品のコンセプトや内容を掘り下げていきます。商品は自社のリサーチから見えたリソースも加味して仕様を策定し、実現可能性を踏まえてデザインしましょう。

ここまできて、商品企画書を作成するための素材が揃います。実際に商品企画書を作成し、承認を受ければ、試作品を作ったりテスト販売を行ったりして正式リリースに至るという流れです。

テスト販売の際には顧客からのフィードバックを得るため市場調査のノウハウも必要になり、正式リリースの際にはプロモーションもあわせて実施していきます。



まとめ

わかりやすい商品企画書を作るためには、ポイントを押さえたストーリー性のある展開にすることが重要です。なぜその企画を立てることになり、どうやって課題解決に向けていくのかという因果関係の説明も踏まえましょう。

因果関係を説明するためには、十分なリサーチとデータ分析をすることが重要です。これが商品企画の始まりともいえるポイントであり、商品企画書を作成するためにも、実際に課題解決に結実させるためにも不可欠な要素といえます。

商品企画を通して、商品を販売する施策や売り場づくりの企画・実施に携わることもあるかもしれません。商品の企画・プロモーションをお考えの方は、お気軽にライダース・パブリシティにご相談ください。

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