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ECサイトを運営したい!必要な業務や売上を伸ばすためのポイントとは?

ECサイトを運営することを検討していて、ECサイトで売上を増やす施策が知りたいという方もいるのではないでしょうか。インターネット上の店舗であるECサイトでは、広告をはじめとした積極的な集客施策による訪問者の獲得が不可欠です。また、訪問者が購入ボタンを押さなければ利益が生まれません。

そこでこの記事では、ECサイトを運営するうえで必要な業務や、売上を伸ばすポイントについてご紹介します。ブランド戦略・販売戦略・広告戦略を踏まえてECサイトを運営することで、顧客満足度の向上と売上アップが期待できるでしょう。


目次

  1. ECサイトを運営するための基礎知識
  2. ECサイト運営に必要な業務とは?
  3. 【フロント業務】4つの業務内容
  4. 【バックエンド業務】5つの業務内容
  5. ECサイトの売上を伸ばすポイントとは?
  6. まとめ

ECサイトを運営するための基礎知識

ECは成長市場であり、ネットショッピングで商品やサービスを購入する生活者や企業は増え続けている状況です。「売れる」ECサイトを運営するために、まずはECサイトの基礎知識を確認しましょう。

ECサイトの種類

商品を販売するECサイトは、「ショッピングモール型」と「自社サイト型」の2種類に大別できます。ショッピングモール型は、Amazonマーケットプレイスや楽天市場などが代表的です。商品の販売者はショッピングモールの出店者となり、店舗デザインのひな型や決済システムを利用してECサイトを構築します。

自社サイト型(単店舗型)では、独自に設計したデザインや管理システムを使って、自由にECサイトの構築が可能です。ブランドやカテゴリー別に商品を分類しやすく、詳細なアクセス解析やコンバージョン経路の分析をマーケティング施策に反映しやすい点もメリットといえます。

いずれの形態でも、自社商品の魅力を伝える広告の活用は不可欠です。ECサイトの構築だけでなく、広告運用をはじめとしたマーケティングやプロモーションも入念にプランニングし、顧客満足度と売上の向上を目指しましょう。

ECサイトの3つのビジネスモデル

ECサイトのビジネスモデルは、「BtoC(Business to Customer)」「BtoB(Business to Business)」「CtoC(Customer to Customer)」という3種類のアプローチに大別できます。

BtoCとは、企業が一般消費者を相手にして行う形態です。ECサイトにおいては、ショッピングモール型や自社サイト型での小売がこれにあたります。経済産業省の統計によると、平成30年度のBtoCのEC市場規模は、日本国内だけで約18兆円です。

BtoBは、企業間での取引を指します。BtoCに比べて取引単価が大きく、平成30年度の国内EC市場規模は約344兆円です。資材の調達から販売までを電子化することによって、管理の効率化やコスト削減につながります。

CtoCとは、ネックオークションやフリマアプリに代表される消費者同士の取引です。フリマアプリのみの平成30年度の国内市場規模は約6,400億円(前年比32.2%増)であり、2012年のフリマアプリの登場から急速に市場拡大しています。


ECサイト運営に必要な業務とは?

ECの市場規模は国内外で拡大する一方ですが、実際にECサイトを運営するにあたって必要な業務は多岐にわたります。ここでは、ECサイトの運営に必要な業務を、フロント業務とバックエンド業務に分けて見ていきましょう。

フロント業務

ECサイトにおける「フロント業務(フロントエンド業務)」とは、商品企画やECサイトの制作、プロモーションなどの上流工程です。

商品企画では、市場分析やターゲティングなどを行います。ECサイト制作での業務は、デザイン構築や広告制作、SEO対策などです。あらかじめ策定した全体戦略にしたがって、仕入や最適な売場作り(UI・UX設計)、ブランディングも加味した広告・プロモーションなどの集客施策を立案・実行していきます。

業務内容は多岐に渡るため、リリースと初期投資回収までのスケジュール管理も重要です。ここで構築したシステムをもとにECサイトを運用していくことになり、事業の成功のためには、どの要素も十分な分析と作り込みが不可欠です。

バックエンド業務

ECサイトにおける「バックエンド業務」とは、商品の梱包・配送やクレーム対応、在庫管理などを行う下流工程です。フロント業務で構築したシステムをもとに実際にECサイトを運営し、フロント業務側にフィードバックすることで業務改善につなげていきます。

「PDCA(Plan-Do-Check-Action)サイクル」でいえば、フロント業務で立てたPlan(計画)をバックエンド業務でDo(実行)してCheck(評価)を返し、Action(改善)する流れです。フロント業務ではプロモーション効果の評価および広告戦略の見直しも行います。

バックエンド業務は顧客と直接的にコミュニケーションを行うため、ブランドイメージとリピート率に影響することもポイントです。フロント業務とバックエンド業務が有機的かつスピーディに連携することで、データを活用した顧客満足度と売上の向上を目指せます。


【フロント業務】4つの業務内容

ECサイト運営における業務はいくつかに分けられますが、それぞれ密接に関連しています。ここでは、フロント業務の内容を「商品の企画・検討」「ECサイト制作・運営」「商品の仕入れ」「プロモーション」の4つに分けて詳しく見ていきましょう。

商品の企画・検討

ECサイトの強みのひとつは、いつでもどこにでも商品が届けられるモビリティーの高さです。全国の消費者が、スマホやPCを使って、人気商品の検索や競合商品との比較を行っています。ここで重要なのは、トレンドや季節を加味した、顧客のニーズに響く商品企画を検討することです。

適切なタイミングで顧客に商品を提案するためには、商品開発のスケジュールを、リリース日から逆算して組みます。マーケティング視点に立った企画をしつつ、目標となる利益率も意識しましょう。

消費者は基本的に画像と文章で商品の魅力を判断することになるため、印象的なパッケージデザインやコピーライティング、仕様上のアピールポイントを検討することも重要です。

ECサイト制作・運営

ECサイトの運営を成功に導くには、商品購入や会員登録した訪問者の割合を示す「コンバージョン率(CVR)」や、一定の期間内に複数回購入に至った顧客の割合を表す「リピート率」を高めることが必要です。

アクセス数が多くても、訪問者が商品購入に至らないECサイトではビジネスが成立しません。ここで重要になるのが、ユーザビリティを高めるサイトデザインです。

コンテンツの配置や色調の調整を行い、スムーズに購入まで辿り着けるサイト構造やボタンの視認性などを意識しましょう。目的となるコンテンツがわかりやすいトップページと、購入までの導線を整えたら、商品の登録作業を行います。

ブランドごと、カテゴリーごとに分類し、わかりやすい商品画像と、読みやすい商品説明を意識しましょう。類似商品やクロスセル商品も一覧できればベターです。

商品の仕入

ECサイトでは実店舗の運営費はかかりませんが、自社生産する商品を販売するなら倉庫が必要です。過剰な仕入はロスを生み、在庫不足は機会損失を招きます。生産数と在庫数を適切に調整し、過去の販売数と今後の販売予測のもとに仕入を行いましょう。

ひとつの仕入先に依存してしまうと生産が追いつかない場合があるため、複数の仕入先を確保するのがベターです。BtoBでの仕入では、掛け取引によって当月分の代金を翌月または翌々月末に一括払いをするパターンが多くあります。このため、新規仕入先との契約には、販売実績や金融機関との取引実績などの審査があるのが通例です。

人気商品や生産に時間がかかる商品は、在庫切れになることもあります。商品ページには在庫数を表示し、購入意思がある訪問者には「入荷お知らせメール」を送信するなどのフォローを行いましょう。

プロモーション

ECサイトにおけるプロモーションでは、インターネットマーケティングによる広告の利用がメインです。日本ではインターネット検索にGoogleかYahoo!を利用するユーザーが大半ですが、いずれもGoogleの検索エンジンと「リスティング広告(検索連動広告)」を使っています。

ここで重要なのが、「SEO(検索エンジン最適化)」や「SEM(サーチエンジンマーケティング)」を意識した戦略です。SEMは集客力を大きく左右する要素ですが、他にも「メール広告」やSNSにおける「インフィード広告」などを活用できます。

さまざまなインターネット広告を組み合わせ、入念に計画した広告戦略のもとに、Webプロモーションを実施していくことが重要です。


【バックエンド業務】5つの業務内容

フロント業務では、商品企画からECサイトでの販売にフォーカスして検討し、訪問者をスムーズに商品購入まで誘導するサイトデザインと広告戦略を行うことが重要ですが、実際に顧客とやり取りするフェーズを担うのはバックエンド業務です。ここでは、バックエンド業務の内容を5つに分けて解説します。

商品の受注

フロント業務が奏功して商品の注文が入れば、出荷の準備に入ります。注文を受け取って、まず行う業務は、顧客へ注文状態をお知らせするメールの送信です。発注して即時に注文確認メールを自動送信するシステムも組めます。顧客が待ちかねて注文をキャンセルする前に、在庫の引き当てと確保が必要です。

在庫の引き当てや出荷指示は、基本的に電子的にシステム制御できる業務ではないため、ヒューマンエラーが発生する可能性があることに注意しましょう。

カラーバリエーションのある商品や、サイズ展開が豊富な商品であれば、二重のチェック体制を敷いて出荷ミスを防ぐことがベターです。初期不良品もクレーム対象になってしまうため、倉庫を管理するスタッフとの連携も重視しましょう。

在庫管理

商品の在庫切れは機会損失を招き、過剰な在庫を抱えることはコストの増大につながります。適切な販売予測のもとに在庫管理をすることが必要です。

注文が確定した後に在庫切れが発覚すれば、顧客の信用を失いかねません。実店舗も運営していて倉庫を共有しているなら、引き当てが重なってしまって予期せぬ在庫切れが発生することもあり得ます。

そこで、実店舗の「POS(販売時点情報管理)」と、ECサイトの顧客情報や売上の遷移を管理するデータベースの一元管理が重要となります。

ECサイトでは、運営者側が在庫の有無によって注文の可否をコントロールしなければ、顧客は在庫があるものとして発注してしまいます。受注とメール配信を担当するスタッフが在庫切れに気付かず注文確定メールを送ってしまうようなことが起きると、大きなリスクが伴います。

梱包・出荷

在庫がある商品であれば、出荷指示にしたがって商品のピッキングを行い、梱包します。ここで商品のサイズに合う箱に詰め梱包しますが、梱包材(緩衝材)の種類や使い方に注意が必要です。

基本的に梱包材には「エアキャップ(エアパッキン)」を用いて商品を包み込んでから箱を閉じ、商品が揺れて壊れたり型崩れしたりしないように配慮します。配送中の衝撃で商品が壊れる場合があるため、梱包を担当するスタッフの教育も必要です。

商品の配送

商品の出荷にあたっては、扱う商品のサイズや特徴から最適な配送業者を選びましょう。多くの場合、商品のサイズや重さ、配送する距離で料金が異なります。

商品のサイズや商品自体のパッケージによっては、箱詰めが必要ありません。日本郵便のレターパックで送れる商品であれば、ポストに投函することもでき、顧客の受け取りの手間を省けます。

配送料を顧客が負担する場合には、注文を受けてから配送業者を選ぶのではなく、ECサイトに配送業者と配送料を記載しておくのが一般的です。商品のバリエーションに合わせた配送料の設定を事前に行い、顧客が混乱しないように注意しましょう。配送の手続きが整えば、顧客に発送情報をお知らせするメールを送信します。

アフターフォロー

顧客満足度やリピート率を高めるためには、丁寧な双方向コミュニケーションを行うことも大切です。商品発送後のアフターフォローはその一環であり、顧客からの信頼感とブランドイメージの向上につながります。

ECサイトにおいては、商品到着から2週間以内に、商品の使用感などを尋ねたり、疑問や不安な点がないか確認するためのメールを送ることも多いでしょう。顧客から商品についての不満や意見を聞くことで、商品やECサイトの改善につなげるデータが得られます。

ただし、過剰なフォローやサービスの押し付けは、逆にクレーム対象になりえることには注意が必要です。顧客と直接的にコミュニケーションをとる担当者は、ブランドイメージに直結する可能性を考え、慎重に行動しましょう。


ECサイトの売上げを伸ばすポイントとは?

ECサイトは取引の一切をインターネット上で行い、商品は倉庫から配送するという特徴から、実店舗とは異なる広告戦略や在庫管理のシステムが必要です。ここでは、ECサイトの売上を伸ばすためのポイントについて解説します。

使いやすいサイト作り

ECサイトの売上を伸ばすためには、見やすくわかりやすいサイトデザインであることが必要です。動画を多用したり特殊なスクリプトを用いたりすることは、ブランディングのためには効果的ですが、商品の魅力や購入までの導線をぼやけさせてしまうかもしません。

ECサイトでは、訪問者が購入ボタンを押すまでの経路をシンプルにすることが重要です。どのように購入すればよいか訪問者が迷ってしまえば、購入意思があってもサイトから離脱してしまう恐れがあります。ひと目で探したい商品への導線が判断できることや、商品ページまでのページ遷移が最小限であることを重視しましょう。

社内での戦略共有

ECサイトを運営するということは、自社商品の情報を開示し、競合商品と簡単に比較できる状態を生み出すことにもつながります。消費者がスマホやPCで素早く類似商品を検索し、画像や文章を並べて比較するという、ECの特性を利用した販売戦略やブランド戦略が必要です。

そのため、自社商品の競争優位性や、メインターゲットを明確にするブランディングとターゲティングが重要といえます。自社商品の魅力がどこにあり、また誰に届けるのかを明らかにし、社内でブランド戦略や販売戦略を共有しましょう。これがターゲットに響く広告戦略につながり、顧客とのコミュニケーションの方向性を定める効果も生みます。

効果的な販売促進

ECサイトにおける販売促進は、明確なターゲティングと広告戦略が肝になるでしょう。ターゲットの行動データをもとにした「オーディエンスターゲティング」と、再訪問・再購買を促進する「リターゲティング」による広告戦略を立てることが重要です。

顧客関係管理(CRM)のもとにインターネットマーケティングを行い、PPC(クリック課金型)広告やアフィリエイト広告なども駆使します。デジタル広告に加えて、テレビCMやラジオCMといった「マス広告」も活用し、複数の流入経路をもつことも重要です。

まずECサイトに訪問してもらうことと、購入ボタンが押されてはじめて利益につながることを忘れずに、さまざまなマーケティング手法を活用したプロモーションを進めていきましょう。


まとめ

インターネット利用が生活者の間に浸透した現代では、商品やサービスをECサイトで購入する傾向が強くなっています。ECサイトは生活者にとって手軽で便利なチャネルであり、企業にとってはコストを抑えて大きな売上が期待できる成長領域です。

しかし、ECサイトの売上を高めるには、さまざまなマーケティング施策と最適な広告戦略が必要です。自社努力だけでは満足できる効果を得られないケースもあるでしょう。

ライダース・パブリシティ東京マーケティングプロモーション部では、ECサイトに関わるブランド戦略・販売戦略・広告戦略をトータルにサポートします。高い広告効果による「売れる」ECサイトを検討されているなら、ぜひライダース・パブリシティ東京マーケティングプロモーション部にご相談ください。

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